「築30年の中古に10年住んで売却」の構想 [中古マンション]

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ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

新築マンションが品薄の現在、新築にこだわって探しても、購入までは骨が折れそうです。

しかし、流通在庫の多い中古なら簡単に見つかるかというと、それも結構なエネルギーを要し、簡単ではありません。

優良な中古は新築並みに高く、再度新築に目を向けると昨今は相場の2割高、3割高は当たり前、5割高も出て来る始末です。

その中でも幾分は安いと気付く物件に辿り着き、見学に行ってみると、立地がどうも気に入らない。そこで、再び立地の良い物件を検討するが、今度は面積や階の妥協を迫られるのです。

決心がつかずに見送り、中古と新築を行ったり来たりしながら、マンション探しに漂流する状態を続けることになってしまった人は少なくありません。

昨年11月10日のブログで「中古に真剣に目を向けるときかもしれない」と書きましたが、今日はマンション探しの旅を終わらせる方法のひとつを提唱しようと思います。

タイトルからご想像いただけるように、古くて安い中古(ただし1981年の新耐震基準に準拠の物件)の選択についてお話しします。


●マンション探しは大胆な割り切りが必要なときかもしれない

中古マンションに抵抗があり、候補に入れても築浅の物件、大体10年以内を狙う人が多いのですが、これまでそうして来た人は、思い切って築20年以上30年くらいまでの物件に目を転じてはいかがでしょうか?

築浅の物件は人気が高く、売り出されるとたちまち買い手が付いてしまう傾向が強いのです。依頼していた仲介業者から物件紹介が入ったら即日見に行くくらいのフットワークが必要な場合も少なくありません。

しかし、仕事を持っていれば見学に行けるのは早くて週末です。そうそう早くは動けないときも少なくないはずです。

貰った資料から見学希望を出しても、実際に行ってみると想像と違っていたり、日当たりが悪かったりと落胆してしまうことも多いので、それを何度も何度も繰り返して疲労感だけが残るというのが実態です。

新築のように何か月も前に予告広告が開始され、販売開始までに数か月の余裕があるなどということはありません。

そんな中、築年数の古い物件は、例外もありますが比較的ゆっくり検討する時間が持てそうです。

古い物件は見栄えが悪く、新築のモデルルームを見たときの高揚感を味わうことはないでしょう。 買いたいという気分が湧いて来ない場合も少なくないはずです。 しかし、最初から期待をしないので、ある意味で冷静に値踏みすることが可能です。

しかも、築年数が古いほど価格は安く、リフォーム費用を計算に入れても予算に余裕を持てる場合が少なくないはずです。

外観や共用部分の古臭さは覚悟し、購入住戸の中をどのように手直しすれば快適なマイホームになるかを想像しながら見学するのです。


●長くて何年そこに住むかを計画してみよう

古くて安い中古マンションの一番の不安は、買ってからあと何年住めるのだろうか、といったことです。築30年のものを購入して20年住めば、そのマンションは築50年になります。

築50年のマンションってどうなっているのでしょうか。現在、築50年に達したマンションは少なく、購入したマンションが築50年になった時どのようになっているか想像ができないはずです。

考えられるケースとしては、①見映えの悪さなど、ある程度我慢すれば快適に暮らすこともでる、②かなりボロボロで快適に過ごせる状態ではないが、建て替えるに建て替えられず、半分廃墟状態という感じでしょうか。

前者は、管理状態が良く、周期的な大規模修繕も実施して来たので、故障も不具合も少なく何とか住んでいられる状態を期待するものです。

後者は、修繕積立金が足りなく、臨時徴収や銀行借り入れなどの調達も管理組合の合意ができず、結局は適時適切な修繕ができないために劣化に任せる状態となり、逃げ出す居住者も増えて空室の多い、廃墟寸前の状態をイメージさせるものです。

前者なら結構ですが、選択する物件は後者のようになるかもしれないと割り切ることが必要です。なぜなら、前者のような期待が持てる物件は、かなり程度の良い中古物件で、購入時の20~30年時点で、それが感じられる物件だからです。

筆者が提案するのは、思い切って、賃貸マンションに住むよりメリットがあるという計算の元に、あまり程度が良いとは言えない中古を購入することです。

とにかく安いマンションを購入して、10年以上住めば元がとれる位の感覚で、「賃貸に住み続けたよりは得した」と思えるような買い物をすることです。

理想は20年以内のローンを組むことです。当然のことながら、借入額は少なく抑えます。そのマンションを、もし借りたら家賃がいくらか調べましょう。そして、その家賃並みのローンを組むのです。

ちなみに、インターネットで検索してみると、新宿まで30分圏内のある駅から徒歩10分。築30年の65㎡3LDKという売り物件が3100万円とあります。これを頭金300万円、住宅ローン2800万円で購入するとします。

20年ローンを組むと、毎月の返済は1.5%の金利で135,000円ほどです。

この物件を仮に賃借するとしたら、賃料は古いので安く、上記返済額とほぼ同じです。

このような物件に20年住んだのちに売却したら、たとえ1000万円にしかならなくても、何も残らない賃貸マンションより得になるわけです。

いかがでしょうか? リフォーム費用を別途見積るとしても、これなら予算も減らすことは可能なのではないでしょうか? 手持ち金をあまり使わずに、かつ毎月の返済額も抑えた買い物になるはずだと思います。


得なのは、それだけではありません。住んでいる間、持家なりの精神的なメリットはたくさんあるはずです。


●築50年マンションの売却は可能か?

さて、20年後に売却すると書きましたが、築40年か50年を経たマンションは売れるのでしょうか? その疑問に対する答えを見つけるのは、さほど難しくないはずです。

今でも、築50年はともかく、40年の中古取引は多くはないものの成立しています。つまり値はついているのです。

地方都市やリゾート地では500万円もしない格安事例も多いですが、首都圏の東京通勤圏なら1000万円以上はします。

上記の物件の場合は築50年に達しているわけですが、頭金300万円とリフォーム代を仮に500万円かけたとして、計800万円の回収は可能でしょう。

20年後の中古相場が今と同じとは思えない(上昇している)ので、うまく行けば買い値の3100万円、最悪でも2000万円で買い手を見つけることができるはずです。

20年住み続けず、10年で売却することも可能です。

上記の例で、10年後のローン残高は約1500万円です。物件は築40年になっていますが、3000万円で売却できたとするなら、手取りは1500万円です。初期費用の800万円が2倍弱になって戻って来たことになります。

2300万円に値下がりしても、1500万円のローン残債を清算して800万円を手元に残すことが可能です。10年住んで元が取れる計算ですね。

(上記試算は、すべて仲介手数料込みと読み替えて下さい)

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今日の話は大胆な戦略転換についてでした。 築30年の中古なんて、とても考えられないと感じた読者も多いことでしょう。 新築のモデルルームばかり見学して来た人なら、特に大きな抵抗があるものと思います。

だから転換なのです。発想の転換は、ときに大きな成功をもたらすものです。


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