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マンション上下階、隣の音で後悔しないために [マンション設計]

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ブログテーマ:業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
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●音の悩みが一番多い
以下は、マンションの騒音問題で悩んでいるユーザーからの相談事例です。
①14階建て新築マンションを購入したばかりです。上や特に下階の襖を強く閉められていると思える音がよく聞えます。11時すぎでしょうか、コツンという音やタンスを強く閉めるガンというような音がよく聞こえます。マンションって、こんなによく聞こえるものでなんでしょうか。たまに上階から天井が揺れるようなドンドンという音、体操でもしているのでしょうか。最近の新築マンションですが、こんなにも音がする、欠陥は考えられないのでしょうか。売主は、一流と言われるデベロッパーです。担当者は生活音であると言います。当方の洋服タンスの扉も力強く閉めると下階にはビシビシよく聞こえるそうで、文句を言われました。(以下、省略)

②上の階に小さな子がいるので、走り回る音がかなりうるさい。真下がエントランスなので、自動ドアのモーター音が聞こえて来る。夜は周りが静かなだけにうるさい。1階や隣の子どもの声が前の建物に反響して聞こえて来る。まさかこんな現象が起きるとは。(以下、省略)

③フローリングLL-40ですが、音はかなり伝わります。話し声が聞こえることもあります。先日、上階の部屋が入れ替わり、新しい家族が引っ越してきました。前の居住者は、音が響いた際に主人が話しに行ったところ、「敷物を敷いて出来る限りのことは気をつけます」とおっしゃり、静かになりました。小学生女児1人と幼児1人でしたが、日常的にさほど気になる音はありませんでした。ところが、新入居者は、引越し当日の真夜中から床をゴリゴリ掃除する音がし、主人が苦情を言いに行きました。その後も、音がかなり下に伝わることに気づいてない様子で、主人が先方のご主人と話し合いました。夫婦と小1女児の3人家族とのこと。いわく、「LL-40だから過信していた、子供がアトピーでカーペットが敷けない。走らせないようにする。構造上、音が伝わるのは理解している。引越し間もないので、すみません。気をつけます」というようなことを言われたそうです。私は物音が気になるタチです。聴覚が良く、主人よりもよく聞こえます。でも、マンションではお互い様で、小さい子供なら多少音がしても仕方なく、たびたび注意して先方に精神的苦痛は与えたくないという気持ちもあります。アトピーでも、コルク等の敷物を敷くなど手はあると思いますが、こちらが要求するのもどうかと躊躇してしまいます。近頃は、朝たいてい子供が走る音で目覚め、休日は荒っぽい掃除の音(ドスン、ガツン、ゴリゴリ)が聞こえます。また、夕食時やゆっくりTVを見ているときに衝撃音も結構聞こえます。主人は気に障るらしく、就寝時は以前から耳栓をしているのですが、それでも「朝からうるさい。また文句言いに行く」と言い出しています。長時間ではなく断続的ではあるものの、概して音に無神経な家族(親)なのではとも感じます。(以下、省略)

以上、3例をご紹介しましたが、マンションの騒音問題は当事者にとって深刻です。

●分譲マンションに抱く高い期待感
賃貸マンションに住んでいた人が、分譲マンションに期待することのひとつ。それは「遮音性能」です。
賃貸マンションや木造アパートでは、隣の家の話し声やくしゃみ、携帯電話の着信音まで聞こえて来るため、逆にこちらの声や生活音が隣の家に聞こえるのではないかと気にしながら、声を潜めて暮らしてきた人が多いことの裏返しです。
現実はどうかと言えば、賃貸マンションよりは、はるかに遮音性が高いものの、度を越した音を出す隣人が何%かは居るのでしょう。音のトラブルが一番多いという現実が、国土交通省の調査などで明らかになっています。

分譲マンションに住んだら、普通の大きさの声で会話ができる。夜中に風呂に入っても気兼ねが要らない。きっと、伸び伸びとした生活ができる。恐らく、そのような期待をして入居してくるのでしょう。それゆえに、期待が外れたときの失望感や憤りは大きなものになるのでしょう。

つまり、少々非常識な住人の前では、現在の分譲マンションの遮音性能も完璧ではないと言わざるをえません。

●マンションの遮音性は複雑怪奇
デベロッパーとしては、トラブルを避けるために研究を重ねて来た結果、現状では抜かりなく対策を講じている業者が大半です。しかし、対策に完璧はなく、実際に出来上がって住んでみたら音が漏れてくるということはあるのです。
フローリング材の床にスプーンを落とすと出る「軽衝撃音」、椅子から床に飛び降りたり、室内を走り回ったりすると響く「重衝撃音」。これらは、マンション業者が、いかに大丈夫ですと力説しようとも、生活の仕方によっては聞こえてくるものと認識した方がよいのです。

それが、かすかなレベルで、受忍限度と考えられる範囲ならいいのですが、受忍限度というやつは個人差が大きいので、こればかりは本人でないと分かりません。裁判にでもなって、「社会通念上」の受忍限度がこうだと判定されれば仕方ないですが、判定までにはとてつもない時間がかかるでしょう。
集合住宅の構造的な宿命として音を全くなくすことは不可能です。マンションに居住する限り、多少の騒音は我慢せよという判決もあるようです。

知っている事例で和解が成立したケースもありました。
事業者は有名・大手で、かつ経験も実績も豊富な企業でした。裁判になる前の対応も決して非難されるようなものではなかったらしいのです。何度も現地に足を運んでくれたし、取り得る対策は講じたようです。
しかし、一向に音はなくならず、居住者はとうとうノイローゼになってしまったというのです。
入居してから裁判になり和解が成立するまでの2年間(和解だからこれで済んだ)の苦しみを思うと、本当に気の毒です。

このような事例は万に一つなのかもしれません。ですが、その不幸に遭わないためには、中古も含めて、完成したマンションから選ぶしかないのかもしれません。しかも、購入する前に一泊してみることが必要になります。
しかし、現実にそんなことは不可能です。

  



●マンションの音は仕方ないこと?
問題は、住んでみなければわからない点にあります。構造上完全に防ぐことはできないし、人によって感じ方にも違いがあるうえ、小さい子がいるなど家族構成にもよるからです。
次善の策は、設計上、最大限の対策を講じているかどうかを確認するしかありません。

チェックポイントは以下の4点です。
モデルルームの模型やパンフレットの説明でしっかりチェックしておきましょう。

①床や壁のコンクリート厚
床のスラブ厚は20㎝以上、二重床構造であること。できたらコンクリートスラブとフローリングの間にグラスウールなどを充填したものがベター。フローリングの遮音性能はLL-45等級が目安。絨毯の方がより遮音性があるが、採用例は少ない。戸境壁はコンクリート厚が18㎝以上ならよいとされており、クロスは直張りの方が音を伝えにくい。

②隣戸の間取りも見る
ほとんどの場合、上下階の住戸は水まわり位置が同じなので問題ないが、左右は要チェック。両隣と自分の住戸の間取り図をつなげてみて、寝室と水まわりが接していたら注意。稀に、このような設計のマンションがある。生活時間帯が違うと水音が気になることも。

③排水管の遮音性能を聞く
トイレの排水音を防ぐために、パイプそのものを遮音材で巻き、更にパイプを通すPS(パイプシャフト)の内側に遮音シートを張るといった対策を取るのが普通。

※遮音対策に関する詳細を知りたい方は、ホームページの「三井健太のマンションWEB講座」でご確認下さい。 ※「三井健太のマンション相談室」では、マンションの基礎知識を分かりやすく解説した「WEB講座」を公開しています。「地震関連の講座」、「マンションの遮音性」、「新築と中古マンションの対比」、「値上がりするマンションの選び方」など全部で47講座あります。お好きな講座・興味ある講座のみを拾い読みすることが可能です。是非ご利用ください。

④上階の入居者の家族構成を聞く
これは、購入のタイミングによりますが、既に購入者が決まっているようなら、せめて小学生以下の子供がいるかどうかを尋ねてみましょう。音源が子供の行動だけにあるわけではありませんから、気休め程度ですが。

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました
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