毎月4万円も必要な老後のマンション住まいに疑問の声 [マンションの未来]

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ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

マンションの管理費、東京では平均して15,000円かかります。広さや管理体制によって変わるのは言うまでもないですが、80㎡で25,000円といった例は少なくありません。修繕積立金は、当初は10,000円未満が多いですが、30年くらい経つと管理費と同じくらいになる計画が多いようです。現時点で築30年を過ぎたマンションでは35,000円、40,000円といった例も珍しくありません。

ということは、築後30年以上のマンションを最近購入した人、もしくは購入時が築10年のマンションでも20年住み続けた先には、毎月30,000~40,000円が黙ってかかるランニングコストということになります。

一戸建てに住んだら、こんなにかからないのは明らかです。修繕費は一戸建てでもかかるわけですが、マンションの場合、月30,000円として年間36万円、20年で720万円を積み立てたてたとしても、共用部分の修繕にしか使えません。別途、室内の改修・更新費用が必要になるのです。

こうしたことを考え併せると、老後のマンション暮らしは損ではないか? そんな疑問の声を聞きます。今日は、この問題を考えてみることにします。

●一戸建てとマンションの違いは?

以下は、一戸建てからマンションへ住み替え経験者の感想から、マンションと一戸建ての差を整理したものです。~首都圏の場合~

<マンションの良い点>
①近所づきあいがなくラク。濃密な近所付き合いや冠婚葬祭・自警団とか消防団・大掃除等の束縛・煩わしさが無い。

②ゴミ出しが24時間可能なのが嬉しい(そうでないマンションも多いが)

③光熱費が安い(冷暖房の効果が良く、省エネだ)

④外から覗かれないのがいい

⑤シアタールームやゲストルームなどの共用スペースを安価で使用できるのが嬉しい(大型マンションの場合)

⑥水平移動のみで平屋感覚、狭いので行動範囲が必要最低限になり、何をするのもラク(特に掃除)

⑦蚊やハエの来襲が少なく、アリも侵入して来ない(高層の場合)

⑧近所の犬(遠吠え)や猫(発情期の声)による迷惑が無い

⑨管理人・コンシェルジュがいるので諸事相談ができる(物件による)

⑩引越し挨拶は殆ど慣例にない=上下両隣戸の住人を知らない(見方によっては、デメリットでもある)



<マンションの良くない点>
①地下駐車場・機械駐車場からクルマを出すのに時間がかかる(屋外平置きのマンションもある)

②庭が無いので緑が乏しい(プランターでは制約・限度がある)

③閉塞感がある(開放感がなく、蟄居させられているような感じ)

④風通しが悪く、熱や空気がこもる(通風のために玄関を半開きにしたいが、廊下を歩く人の視線が気になる。最新の物件には配慮が行き届いたものもある)

⑤昼間でも北側の部屋は暗いので電気が必要(東西向きならそうでもいない)

⑥上下階・左右の音が気になる

⑦階段にしてもエレベーターにしても外出が面倒

⑧一戸建てと比較すると部屋数、間取り、収納場所に制限があり、スペースに余
裕が無い(その方がよくてマンションに移る人もある)

⑨防犯、火災予防、子供の問題その他の相談相手や助け合いの絆が無い(3.11地震以降、見直される傾向がある)

●マンションの損なところ

一戸建ては管理費も駐車料金も払わなくていいから、マンションより得なのではないかという意見をたまに耳にします。確かに、一戸建てにないマンションの出費はと言えば、駐車料と管理人の人件費、エレベーターの維持費などでしょうか。この分は余分と言えないこともありません。
しかし、一概にはそうとも言い切れません。確かに、一面的に見れば、その通りと言えなくもないのですが、一戸建てにない魅力、例えば高層階から見える景色や、一戸建てには装備しにくい防犯機能、あるいは、木造住宅との比較では、火災に強いというメリットもありますね。耐久性の違いもあるでしょう。
こうしたマンションのメリットは、一戸建てのメリットを凌ぐものです。別の言い方をすると、マンションと一戸建ては、それぞれに長所、短所があるということでしょう。経済的な損得では測れないものがあり、結論はその人の人生観によるとしか言いようがありません。

一戸建てにも維持管理費はかかります。ただ、手入れや改装を放置する自由が一戸建てにはありますね。
一戸建ての所有者が手入れや改装を放置したために建物が傷み、老朽化が進んだとして、困るのは所有者だけですが、マンションではそういうわけにいきません。

いずれにせよ、本来マンションと一戸建てを同一レベルで比較し、どちらがトクかなどと論議すること自体がナンセンスとも言えるでしょう。

●老朽化したマンションの問題点は?

マンションは、築40年を過ぎたあたりから補修、補修の連続で、住みづらい状態が続いたりする懸念があります。
しかも、修繕積立金が毎月重くのしかかるかもしれません。せめて管理費だけでも負担が消えないかと感じるのではないでしょうか。

そうなると、「晩年は古いマンションに住み続けるより一戸建てが良い」という考え方も浮かんで来ます。

<マンションは古くなると高い修繕費が問題になる>
新築マンションを購入した場合、最初は安い修繕積立金も、5年毎に値上げし、15年目からは管理費の1.5倍ほど(80㎡クラスなら管理費との合計で毎月40,000円)にもなってしまうという例が少なくありません。
新築マンションを販売するとき、「長期修繕計画書」が用意されるのが一般化しており、大抵の場合、30年先まで見越して金額が明示されています。しかし、その先は分かりません。50年先には、一体いくらになってしまうのでしょうか?

60歳で新築マンションを購入したような場合、90歳でも築後30年ですから問題はないでしょうが、40歳くらいで築20年の物件を永住目的で購入したような場合、70歳のとき我が家は築50年を迎えます。としたら、既に管理費の1.5倍か2.0.倍になった修繕費の更なる高額積み立てを覚悟する必要があるかもしれません。

一戸建ての場合、古くなると家は傾き、雨漏りが発生し、建具の変形がおき、すき間風が入り込むものという常識があります。そこで、あちこち修繕しながら建て替えを先延ばしして50年くらい住み続けるわけです。しかし、たびたび修繕のための出費が起こります。時には多額の費用がかかります。

これは、マンションでも同じです。木造と違って、すき間風は入らないでしょうし、よほど強い地震に何度も遭遇しなければ傾くこともないでしょう。しかし、給排水管や建具、床材、壁紙などに詰まりや変形、破損などが同じように起きます。

いずれにせよ、必ず修理費用がかかる。それが家というものです。しかし、一戸建てにはないエレベーターや共用玄関のエンジンドア、パーキングシステムなどの機械の故障などはマンションならではのものです。

もっとも、一戸建ても2階建ての場合(大抵そうですが)、階段の昇り降りが困難になったらホームエレベーターや階段の手すりに取り付けるホームエスカレーターの新設に多額の費用がかかったり、維持費を要したりすることもあります。

<建て替えが難しいマンション>
マンションは築後40年、50年となると、建て替えが話題に上ってくるでしょう。

そのとき、「工事中どこかに仮住まいし、完成したら戻って来る。そんなのは面倒だ。いろいろ不具合が出ていることは承知しているが、このままでも十分住める。私はもう自分の寿命も終わりが近づいているので、静かに暮らしたい」。そう言って建て替え計画に反対する人が多いようです。
入居者の中には、中古マンションとして購入して来た若い世帯もいて、建て替えに賛成する人もあります。しかし、建て替えには当然ながら多額の費用がかかります。これは積み立てられていませんし、入居者個々のふところ具合は異なります。費用の捻出が最大の課題に浮上します。

何回も住人同士の話し合いが設けられ、合意を得るのに10年も15年もかかるのが普通です。一戸建てなら自分の意思だけで全てを決められるのに、マンションは何と煩わしいことか。でも、いつかそんな日がやって来るのです。
建て替え問題で話し合いが繰り返される途中、着工に至らないままあの世に行くことになる人も出て来ます。それでも、死ぬ直前まで快適な暮らしができるのであればいいのですが、建物の不具合が多く、ストレスの溜まる日々を送ることにならないとも限りません。

としたら、晩年の煩わしい問題に巻き込まれないうちに逃げ出した方が賢いかもしれません。自分の意思だけで永住できる一戸建てへの転居や、新しいマンションへの買い替えを決断することが必要になるかもしれないということです。

①高齢者専用住宅や、②まだ新しいマンション、③自分の意思だけでどうにでもなる一戸建て――この三つが終の棲家の選択肢ということでしょうか。

●中古の一戸建てを楽しむ(既掲載記事より抜粋)

自分一人の意思でどうにでもなる「古い一戸建て」でも購入し、メンテナンスやリノベーションを趣味のひとつにするくらいのつもりで移り住むといった道を選択することも考えてもいいわけです。
上物(うわもの)代がゼロ(土地代だけ)の一戸建て、すなわち築後20年以上の家を買って楽しむという発想が生まれます。リフォームまたはリノベーション(※)しながら、それを楽しみながら住むのです。
(※先進の機能を持つ設備に交換するとか、間仕切りを大幅に変えるような、大掛かりなリフォームのこと。リノベーションRenovation:改革・刷新)

例えば、外壁のサイディングを交換する、キッチンを最新のシステムキッチンに交換する、
太陽光発電装置を取り付ける、住まいの顔に当たる玄関ドアを交換する、トイレを拡張して車椅子で入れる大きさにするなどのほか、高齢になったら、1人になったとき近隣のお世話になるかもしれないので、非常用の警報装置をつけるのも一考です。
万一のとき、ボタンさえ押せれば外を通りがかった人が駆けつけつけてくれるからです。

一戸建てはマンションと比べて手間がかかると言われます。大規模な修繕は、マンションなら管理組合が進めてくれますが、一戸建ては何から何まで自分で計画し実施しなければなりません。
しかし、それが魅力でもあります。手を加えることを楽しむという、発想の転換です。日曜大工の教室に通って技術を学び、間仕切り壁を兼ねた収納家具や庭の花台などを製作したりする男性もいます。自分で修理したり色を変えてみたりするのが趣味だと語る人もいます。

うっかり中古を買うと、運悪く修繕費用が嵩んで高い買い物になったとぼやく人もいると聞きますが、趣味の一環で大工仕事をしたり、改造計画を図面に描いたりするのだとしたら、その費用は娯楽費であり、生きがいになって気にならない出費になるかもしれません。

●老後も都心?それとも郊外に住むか?で分かれる

マンションと一戸建ては、それぞれに長所、短所があります。従って、経済的な損得では測れないものがあり、結論は既述の通り、その人の人生観によるとしか言いようがないのです。

高齢者ほど、都心に住んだ方が何かと利点が多いということも明らかです。都心なら否応なくマンション住まいだという常識があるようですが、それは一戸建ての価格が高過ぎるからです。
しかし、広い庭付き一戸建てを望まなければ、敷地は狭くても、土地代だけの安い中古住宅を選択する道もあるのです。もちろん、郊外なら庭も手に入るかもしれません。

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この記事は、まだお若い読者にも意味のあることだと考えて書きました。長期のビジョンを持って住まいを選択することは大事なことだからです。


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